梁山泊倶楽部

山岳会の会長やってます♪

南アルプス「白根三山」<その3 農鳥小屋~奈良田>[H25.8.20-23]梁山泊倶楽部

南アルプス「白根三山」稜線漫歩の旅<その3>を報告する。今回は、日本の高峰3000m峰の稜線から標高830mの奈良田まで、一気に下山する強行軍だ。果して、爺の脚攣り、M君のひざ痛、重荷を背負った下山に耐えられるだろうか。

 今日のコースを再度ご覧いただきましょう。
■農鳥小屋…西農鳥岳(3051m)…農鳥岳(3025m)…大門沢下降点…大門沢小屋…奈良田第一発電所…奈良田第2駐車場―早川町営/ヘルシー美里(旧早川北中学校校舎)宿泊
 私たちの登山計画書では、ガイドマップの標準コースタイムを大幅に上回る予定を立てた。農鳥小屋の起床を8月22日午前1時30分、行動開始(出発)午前3時00分、ヘルシー美里到着午後5時00分とした。これからご覧いただく写真のコメントでわかると思うが、ほぼ、この計画表に近い結果となった。つまり、今日も“カメの歩行”、“牛歩”であったことがわかるだろう。計画、実績ともに約14時間の歩行を終えて、無事、麓の宿泊地(ヘルシー美里)へ帰り着いたことは、仲間たち6人の普段のトレーニング、山中での結束と助け合いの賜物であったと自負するものです。
 まずは、下山コースにしたがって、風景、人物像をご覧いただきます。

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8月22日午前3時前、山小屋の外で朝食
(8月22日午前2:53撮影)南アルプスの朝は早い! 前の項でも書いたが、山が大きいため、もたもたしていたら、次の目標地点へ辿り着けないことになる。とくに、我々シニア登山隊は、誰に迷惑をかけるわけではないが、自分たちのことは、自分で“体力、技量、持久力、持病”など、各種アクシデント要因ともいえるものを、しっかり把握しておかねばならない。そのための「登山計画書」である。格好つけて、出来もしないコースタイムを設定する必要はない。全て、自分流にアレンジして、好きで入山した山域を、楽しみ尽くす覚悟(気持)で、歩めばよいのだ。そのためにも「早寝、早起き、早立ち」に尽きる。
 私たちは、仲間たちを起こすこともせずに、午前1時30分頃から一人二人と自発的に起床しだした。昨夜、装備のパッキングはしていたものの、夜、寝るときに着ていたものを着替えたり、ザックの中身の配置換えなど、やっぱり、出発の朝も多忙なことになってしまう。ランプの灯りは壁向きに、私語を交わさず、音を極力立てず、寝具(毛布など)をきっちり畳む・・・など、昨日の北岳肩ノ小屋と同様、マナーよく行った。いつも頭が下がるが、今朝も、麻呂がストーブと食糧を持って、山小屋の外に出て、朝食用の湯を沸かし始めた。今日の朝食も、カップ麺+餅である。参加者募集時から、なるべく装備を軽くするために、カップ麺にすることを決めていた。当然、歩き出せば、1時間もしないうちに、休憩時に行動食(パン、干した果物、チョコレート、飴、煎餅など、各自が持参したもの)を補給する。だから、まだ夜明け前の朝食は、軽いもので十分なのだ。
 午前3時30分だったか、4時出発だったか覚えていないが、まだ夜が明けぬ暗闇の中、強風を除けながら出発した。山小屋の外で朝食の準備中(午前2時頃)、山小屋の親父さんが、ランタンを燈して水タンクの上に置き、我々の炊事作業場を明るく照らしてくれた。また、出発のときにも、我々を見送ってくれ、「気を付けて行くんだよ!」と声掛を掛けてくれた。ありがとうございました。
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西農鳥岳(3051m)山頂
(5:00撮影)西農鳥岳へは、農鳥小屋(2800m)から標高差250mを、一気に九十九折(電光型)に急登する。暗くて周囲が全く見えない、夜明け前から歩きだしたのだ。前後のメンバーの荒い息遣いだけが聞こえる。垂れ込める雲霧をかき分けながら歩行する。まだか、まだかという思いを、何度も繰り返すうちに、西農鳥岳山頂を踏んだ。
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ライチョウが5-6羽、姿をあらわす
(5:56撮影)先頭を行くヒーさんから「ライチョウがいるゾー」という声がかかる。しかも、沢山いるという。この写真では見にくいが、ビデオ映像にはっきりと、ライチョウの家族が動いている姿をとらえていた。
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農鳥岳山頂にて
(6:17撮影)いよいよ農鳥岳を極めた。めずらしく爺も記念撮影をした。この農鳥岳まで来たことで、今回の「白根三山」の大きな夢“3000m稜線漫歩”が終了する。もっとも、大門沢下降点までの40分~50分の稜線歩きを残しているが・・・・。
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農鳥岳山頂にて憩う仲間たち
(6:22撮影)参加者の誰もが、念願の農鳥岳まで来たことに、それぞれの想いを抱きながら四方の山々を同定する。改めて富士山を見直す。ほっとして、水を飲む者、行動食を摂取する者、雨具を脱ぐ者・・・各人が思い思いの時間を過ごす。「よく来たナー!」、「俺の脚も大丈夫だった!」、「大門沢の大下りは大丈夫かなー!」などなど。
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農鳥岳を後にする我らの仲間たち
(6:47撮影)いよいよ主なる山を踏破して、大門沢下降点へ向かう最後の稜線歩きが始まる。偉大なる3000m峰に敬意をはらい、仲間たちに振り返ってもらい、記念撮影をした。形は、ワンパターンの様相を呈しているが、まあ、記念にはなるだろうから・・・。
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最後の稜線から高山植物越しに、山並と麓を見る
(6:59撮影)下降点に向かって、ただ漫然と歩いているわけではない。後方集団に位置する爺、麻呂、オーさんの3人は、恰好な被写体を見つけてはシャッターを切り続けた。
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“お花畑”広がる農鳥岳からのトラバース道
(7:00撮影)頂上出発時に収納したカメラを再度取りだし、この素晴らしいお花畑を撮影する。もっとも、先頭グループが、先を急いでしまうので速射法での撮影だ。
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高山植物と派生する尾根を眺望
(7:00撮影)
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大門沢下降点に向けて急ぐ我らのメンバー
(7:15撮影)大門沢下降点は、まだ遠い。
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大門沢下降点の標柱と我らの仲間たち
(7:37撮影)農鳥岳より50分ほどで大門沢下降点へ到着。ここまで、稜線のせいか吹き抜ける風が冷たく、強く、帽子を飛ばさないよう、押さえながらの歩行である。下降点の風の来ない場所で休憩し、防風衣や雨具のパンツを脱いだり、靴ひもを下山用に結び直すなど装備修正を行い、これから始まる下降に備えた。
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大門沢下降点より急坂をジグザグに下山
(7:56撮影)いよいよ大門沢下降点より一歩踏み出し、ジグザグの急坂を下山だ。とにかく降りるのみだ!
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危なっかしい橋を何回も渡り返す
(11:25撮影)前の写真から3時間半も経過している。その間は、とにかく下るのみだった。下らなければ、帰れないのだ!
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大門沢小屋間近の樹林帯を行く
(11:42撮影)行けども、行けども大門沢小屋に到着しない。左側に大門沢が見えて久しいが、山小屋はずっと下方にあるのだ。とにかく、右、左と足を交互に出して進むほかないのだ。
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やっとたどり着いた大門沢小屋
(11:52撮影)いやー!長かった。暑かった。きつかった。途中、仲間に「大門沢小屋に“そーめん”はないかなー!」と言いながら下山していた。仲間が聞いたところ、メニューに「そうめん」があった。出来上がるまで、山小屋に引き水してある蛇口から、冷たい水を、ガブガブ飲んだ。旨かった!そして、「そうめん」は、生き返るほど、旨かった!
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大門沢小屋から、あと4時間~5時間歩くのだ
(12:29撮影)小屋からは大門沢の河原に降りる。沢沿いに延々と下るのだ。またまた危なっかしい木橋を渡り、吊り橋を何回も渡る。沢のへつりも出てくる。とにかく、きつい、辛い・・・。
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滑りやすい急坂を下る
(14:08撮影)あれだけ、おしゃべりしていた仲間も、さすが、この辺まで来ると、言葉がでない。爺だけではなく、皆も、きついのだろう。
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この吊り橋は幾つ目だったろうか
(15:05撮影)
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重量制限あり、一人ずつ渡ること!
(15:18撮影)上記の写真と同じ吊り橋。一人ずつ渡るので、時間がかかる。
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旧早川北中学校跡のヘルシー美里到着
(17:34撮影)我らの仲間は、既に旧中学校跡の宿舎へ入った後である。梁山泊倶楽部の会長兼小遣いさんの爺は、後片付けをしてからの入館である。
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玄関脇の壁に、現在の施設名「ヘルシー美里」の文字
(17:35撮影)南アルプス「白根三山」縦走を締めくくる宿、早川町営「ヘルシー美里」宿泊である。
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旧早川北中学校校舎(現在は町の宿泊施設)に宿泊する。入山前に、奈良田の温泉「白根館」へ予約の電話を入れたが、満員であった。下山後に宿泊する旅館はないものか、と、調査して、ヘルシー美里を引き当てた。ヘルシー美里の出来事が、思い出され、この町営施設に宿泊して、本当によかったと思った。
(18:33撮影)
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ヘルシー美里の夕食(おかず)
(18:33撮影)18時30分からの夕食膳に着く。1泊2食付7,000円也、もちろん、このほかにご飯があり、各種地酒やビール、焼酎などもその場で注文可能だ。なんと安いことか!爺たちの宿泊したのは洋室(ベッド)であるが、小奇麗で、ベッドメイキングもかなりなものだ。是非、白根三山などの山行の帰りにご利用いただきたい。温泉も付属しており、夜10時までと朝も7時から入浴可能だ。
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我らの夕食風景
(18:34撮影)標高3000mの稜線を、よく歩いてきた。いくら話しても、話のタネは尽きない。もっとも、この後、部屋へ帰ってからも、皆でウイスキーを飲みながら、山中での思い出話に耽ったものだ。
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早川町営「ヘルシー美里」(旧早川北中学校=旧三里中学校)全景
(8月23日午前5:48撮影)旅立ちの朝、お世話になった旧三里中学校校舎を撮影した。南アルプスの麓、山間の部落の子弟たちが通学した中学校跡。質素な佇まいが散見される町(村といったほうが適切か?)、改修されて宿泊施設に代わっているが、綺麗で、素敵な木造校舎だ。料金が安いこともあるが、なによりも、この風景、この暮らしに触れてほしい。これから、この学校(跡)の近くを散歩してみようと思う。
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学校敷地内の火の見櫓
(5:48撮影)校庭には大きくて、高い、鉄製の火の見櫓がある。これほど高い火の見は、消防署併設の火の見ぐらいしか見たことがない。山林火災などを想定して設置された火の見であろうか。
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校庭内の新倉雨量観測所
(5:51撮影)
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雨量観測施設
(5:51撮影)富士川水系「早川」を有する早川町にあって、豪雨や長雨には、極めて敏感に反応し、対応が必要なのであろう。校庭に設置された無人雨量計が、無言の警告を発している。
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かつての校門は・・・ヘルシー美里の看板にー
(5:54撮影)かつて中学校であった入口には、立派な校門がある。現在の看板の内側には、かつて三里中学校があり、その後統合して早川北中学校の銘板があったであろう。
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美里地区案内図
(5:56撮影)かつての校門を出たところに、案内板があった。「何もない」を売り文句にしたような美里地区であるが、このような案内看板があった。
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ヘルシー美里(旧中学校)前のバス停時刻表
(5:57撮影)身延駅から奈良田温泉までバスが通じている。一日4本が往復する。もっとも学校は、スクールバスを利用できるのだろうが・・・。これを見ると、七面山へ行く場合も、同じ路線を利用するのかもしれない。このバス時刻からすると、マイカー以外で来訪した場合には、急がず、慌てず、この地でゆっくりすることが良いようだ。
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粟または稗を栽培
(5:59撮影)この町の唯一の通り(「南アルプス街道」)を歩いた。この地の名物である「雑穀」の類である粟か稗(どちらか不明)を栽培している農家が目につく。現在は、見ようとしても栽培農家がなく、幻の雑穀である。
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道路沿いの無人家
(6:08撮影)無人家の硝子戸に貼付したピースのステッカー。埃かぶった、かつてタバコ屋だったこの家も、今は住む者とてなく、廃屋同然になっている。お名前からすると、当時でさえ、かなり高齢であったことが伺える。もう少し行くと、家構えから、お医者さんでもあったような風情のある居宅も、無住であった。これから、ますますこの地区の住民は数を減らしていってしまうのだろうか。働く場所(企業)がなければ、都会へ出て行くしかないのだろう。
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ダム放流の注意看板
(6:18撮影)
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南アルプス街道(県道37号)と街並み
(6:19撮影)
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早川の河川敷の巨岩
(6:23撮影)近くの橋のたもとから河川敷に降りた。南アルプスの幾つもの沢や川を集める早川は、大きく、凄い河川だ。普段の流れは緩やかだが、ひとたび豪雨になれば、巨岩や泥を押し流し、手がつけられない暴れ川になるのだろう。
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河原の砂利を見れば山の地層がわかる
(6:25撮影)河原にはいろいろな種類の石が、流れに乗って磨かれ、下流へと押し流されてくる。屋久島でも河原の石を見た。この南アルプスの地層も、小砂利でわかる。見るだけでも楽しいものだ。
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ヘルシー美里(旧中学校)掲示物より「生徒が描いた校舎、校歌」
(6:52撮影)玄関を入った左側に、昔日の写真などが掲示されている。この地区の昔の生業(なりわい)、生活(暮らし)などを現在(いま)に伝えている。
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地域の風景を描く「早川北中学校校歌」
(6:52撮影)
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「校門前の坂道、炭俵を運ぶ中学生」のキャプション
(6:53撮影)
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昭和45年頃、校門前にて
(6:53撮影)昭和45年の中学生では、爺よりもずっと若い。今頃は、いずれかへ嫁ぎ、幸せな生活を送っていることだろう。
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三里中学校時代の記念写真か?
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8月23日の朝食(ヘルシー美里)
(8:01撮影)旅立ちの朝の食事。なかなかしゃれたおかずで、美味しく、ご飯をお代わりした。
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旅立ちの朝、玄関に掲示された黒板
(8:50撮影)いよいよヘルシー美里ともお別れだ。立派な施設、想いで多き校舎、美味しかった食事、綺麗で清潔な部屋・寝具、すべて良き想い出となった。また来る日まで、さようなら!

テーマ:登山・ハイキング - ジャンル:旅行

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